2017年7月 「復活の主に在って視る」 ヨハネによる福音書2章13〜22節

 イエス様が神殿から商人を追い出した出来事を、ヨハネの福音書は、共観福音書と違って、公生涯の始めの事とし、境内の大混乱を引き起こす主の行動を、生き生きと描いています。「どんな権威があるのか、しるしを見せろ」と言うユダヤ人に、主は「この神殿を壊してみよ。3日で立て直してみせる」と答えられました。
 当時の神殿は、バビロニア捕囚から帰還後建設した第2神殿をヘロデ大王が修復・増改築を始めた神殿です。「この神殿を建てるのに46年もかかったのに、お前は、3日で立て直すのか」 ・・・。そばにいた弟子たちも、戸惑う出来事でした。が、主が十字架で死んで3日目に復活された時、この言葉を思いだしたと言います。神殿(体)が壊されても、3日で立て直す(復活する)権威をお持ちのお方です。十字架と復活は、神の子の「しるし」です。
 この出来事は共観福音書の併行記事の「宮清め」にとどまりませんでした。洗礼者ヨハネは「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」(1:29)と指し示しました。人間の罪を取り除くため、神が用意された小羊であるイエス・キリストの犠牲によって、神殿も、そこで繰り返しささげた犠牲の動物も、不要になったのです。
 日々の生活が商売のように自分の利益を求め、騒々しい姿にある時に、主はその状況をけちらします。様々な戸惑う出来事に出会いますが、復活された主と出会って視るなら、その出来事に、キリストに在る新しい意味を知らされるでしょう。




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